森下雨村『赤い塔の家』(森下雨村少年少女小説コレクション2)ヒラヤマ探偵文庫
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【ヒラヤマ探偵文庫】
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本巻には、森下雨村の冒険科学小説「赤い塔の家」(『少女の友』大正7年7月~12月号)が収録されている。――赤い塔の家にある、開かずの部屋で起こる幽霊騒ぎがきっかけで、物語が動き始める。『少女の友』に連載されていたので、登場人物の中心はローティーンの一郎や純子、光子の姉妹であり、彼らの行動が、読者の〈恐いもの見たさ〉を煽るものとなっていた。
千里眼やテレパシーなどの超常現象も描かれ、作品を支えるものとしてあった。この時期、つまり大正7(1918)年の小説としては、たいへん珍しい題材だといえるだろう。また物語の舞台である赤い塔の家も、栃木県の中禅寺湖の湖畔にあるという設定になっていた。子供たちが夏休みに出かける避暑地の雰囲気を存分に出している。雨村は、夏という季節の連載を意識して、題材を扱っていた。その赤い塔の家には、大きな秘密が隠されていたのである。はたして彼らは、秘密を解くカギを探すことができるのであろうか?
【書誌】
著者:森下雨村
判型:新書版
頁数:
発行:2025年1月
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